ケースから作る自作PCの製作記

2020.4.1

2020年に制作したこちらの自作PC。取り組む期間も長く、色々なノウハウが得られたのでまとめていきます。

動機とコンセプト

以前にPCケースをアクリル板とレーザー加工機で制作したのですが、それはサブ機。今回はメインマシンとして中身の構成からトータルで考えていきます。

自作PCの一番の楽しみは自分専用のマシンが組めるということです。しかもケースも自作となると超専用。メーカーの筐体設計みたいな感じで、この構成だからできるデザイン、このデザインだからできる構成と言えるように設計しました。

余談ですが、自分が好きなSF作品「銀河ヒッチハイクガイド」に出てくる、全時代および全世界において2番目に凄いコンピュータが上の「Deep Thought」です。IBMのチェスマシンの元ネタにもなっていますが、なんとも悩ましいデザインで大好きです。このコンピュータが「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」を求めるために750万年かけて計算した結果が「42」。この作品おすすめですw

パーツの選び方

CPU

AMD Ryzen 9 3950X

2019年11月末に発売になりました、コンシューマー向けでは初の16コア32スレッドCPUです。発売時は品薄で、実際に購入できたのは2020年のお正月を過ぎてからでした。AMDの勢いがいい時は自作PC界は楽しいです。久々にこれで組みたい!と思えるCPUで、ここから構想を練りました。

グラフィックカード

nVidia Geforce RTX 2060 super Founders Edition

建築のパースとか作るのでゲームよりはCG用途の方が多いです。以前はCGといったらQuadroという感じでしたが、最近はゲームエンジンベースのリアルタイムレンダリングのCGソフトが増えてきており、その場合はGeforceの方がいいようです。「リアルタイムレイトレーシング」機能付きのCGソフトにはまだお目にかかったことがないですが、これから対応されるであろうということもあり、前々から気になっていた最新のRTXシリーズ。しかもnVidiaが直接販売する「Founders Edition」です。性能的には他メーカー製のオーバークロックモデルの方がいいし、価格も抑えられるのですが、カードのデザインは「Founders Edition」が一番かっこいいですね。

RTX2060superはカードサイズが228.60mm となっており、ATXサイズのマザーボードの幅に収まります。また一般向けでは珍しく、カードの短辺方向に補助電源コネクタが刺さります。ケースをカード幅ギリギリまで詰められるのと、表側に配線が出てこないのでいい感じです。

マザーボード

ASRock X570M Pro4

第三世代Ryzenに対応するX570チップセットのMicroATXマザーです。ASRockにしてはいたって普通なモデルです。小型高性能の自作PCとなるとMini-ITXが主流ですが、組付けたときに「グラフィックボードがマザーボードからはみ出す」のがあんまり好きじゃないんですよね。最近はラインアップが少なくなってきましたが、CPU周りのレイアウトにもゆとりがあるし、メモリスロットも4本、あとコスパもいいですよね。まだまだMicroATXおすすめです。

メモリ

Team ELITE U-DIMM DDR4-3200 16GBx2枚組 x2セット

せっかくのMicroATXなので16GBを4本揃えて64GBです。クロック3200MHzなのにヒートシンクなしのモデルです。基盤そのものがブラック色。中々かっこいいので(結局見た目で)これに決めました。

ストレージ

CFD販売 PG3VNFシリーズ NVMe 1TB

Cドライブ用のSSDは最新のPCI-E Gen.4に対応した高速モデル。SSDと一言で言ってもSATA接続のものと比べるとさらに10倍ぐらいのスピードが出ます。最近、重いソフトをいろいろとインストールすることが多いので、今回は奮発して1TBをチョイス。CFD販売のこのモデルはヒートシンクがついていませんが、マザーボードについているヒートシンクを利用するのでちょうどいいです。

Intel SSD660Pシリーズ 2TB

最近デジタル1眼のRAW現像とかやってるのと、ぼちぼち動画制作もやってみたいなあということで2枚目のデータドライブ用SSDを追加。ここにきてインテル製品。速度や書き込み制限も大したことないのですが、何よりコスパがすごくいいのがこのモデルの特徴。ヒートシンクはついていないので、下のアイネックスのものを貼り付けます。

AINEX M.2 SSD用ヒートシンク HM-21

これでマザーボードM.2スロットを2本とも埋めて、ストレージは以上です。2.5インチや3.5インチドライブは思い切って省略します。配線を考えなくていいので小型PCでは非常に有利です。もちろん、保存容量ではHDDに劣りますが、最近はクラウドサービスも増えているので、何でもかんでも自分で保存しておかないといけないということもないんですよね。

CPUクーラー

Noctua NH-C14S

高性能・高級クーラーでおなじみ、Noctuaのトップフロー型です。3950Xが空冷で大丈夫なのか?という心配はありますが、一応メーカーのHPでは軽度のブーストまで対応とのこと。水冷はどう考えても筐体が大きくなるし、ラジエーターって見せられるかっこいいデザインのものが無いんですよね。それに比べてNoctuaのヒートシンクは非常に美しい。ヒートパイプなんかクロームメッキ化したショーカーのエンジンのようです。それでいて簡易水冷よりも安上がりになります。また、このモデルは上のようにヒートシンクの下にファンを設置することが可能。外からファンが見えないというのも特徴です。

電源

ENHANCE ENP-7660B(カスタム品)

これが一番悩みました。ATXでもSFXでもなく、今時Flex-ATX。ATXやSFXはどうも立方体に近くて組み合わせると無駄なスペースが多くなるということで、当初はサーバー用の1U電源を探していたのですが、その中で見つけたのがこれ。Flex-ATX規格は通常は300W程度までですが、これは600Wの大容量。体積当たりの容量も中々なものです。2019年末時点でこのメーカーのこのモデルしかありません。日本未発売なので米Amazon.comから個人輸入しようと思ったのですが、どうも海外発送非対応のショップばかり。あきらめかけてたら、台湾のサイトでプラグイン式にカスタムして販売してるところを見つけました。

https://www.geeekstore.com/

小型のアクリルケースを販売しているようですが、そのケースに合う小型電源も一緒に取り扱っています。ついでに内部の電源ケーブルの素材や長さも選択できるので、ちょうどぴったりなものを購入しました。プラグインでない場合は自分で電源ケーブルを詰めようと思っていたので助かりました。

その他

jww_cad

構成を考える時は下図のように2次元CAD上で大体の配置をシミュレーションします。マザーボードの画像はメーカーのHPからダウンロードし、グラフィックボードや電源、CPUクーラーなどの大きいものを、メーカーの仕様表にある寸法を見ながら落とし込みます。

結構見落としがちなのが、マザーボードによってCPUソケットの位置が違うということ。ということはCPUクーラーの配置も変わってくるわけで、CPUクーラーの向き等も検討します。

そして配線ルートがどこに取れるかとか、どこにスイッチを持ってこようとか、空いてるところに何入れようとか、エアフロー大丈夫かなとか。この時点で大体のプランとデザインも固まってきてる状態です。結局上記のパーツの組み合わせでMicroATXの基板上にすべて収まる配置にすることが出来ました。非常に納まりがいい。

デザイン

最初のブロックから徐々に詳細なモデルへと変化していきます。この3DモデルはSketchUpを使用しています。詳細な寸法が必要な部分、マザーボードのネジ穴等は2次元CAD(Jww_cad)で線を引き、ボリュームやカラーリングの検討には SketchUp を使用。2Dと3Dを行き来しながらブラッシュアップしていきました。

とりあえず245mm角のMicroATXがすっぽり入るフレームを考えました。4辺0.5mmのクリアランスで245x245mm。フチは15mmでまわしてこれぐらいのボリューム、275x275mm。厚みはとりあえず135mmとします。

次にパネル割を検討した結果、放熱性を考えてパネルをミルフィーユ状に重ねていくデザインとしました。セミオープンタイプですね。色々試して5mmのパネルに2mmの隙間で落ち着きました。サイズは275x275x138mmとなっています。色はまだ考えていませんが、最初と最後の2枚のみクリアを想定しています。

次にフレームの角の面をとって優しいイメージとしました。急にクオリティが上がったような気がします。また外側に合わせて内側も面を取りました。マザーボードとのクリアランスはぎりぎりですが、マザーボード自体が角丸になっているのでこれでも入るようです。

幅寸法を出来るだけビデオカードぴったりに合わせるため、アクリル板の厚みを調整しました。隙間は2mmのまま5mm・3mm・2mmのパネルを順番に重ねていきます。これにより単調なデザインにも変化が出ました。マザーボードのクリアランス、取付スペーサーがあるかどうか等の検討も行い、寸法決定です。サイズは275x275x133mmとなりました。

アクリル板のカラーサンプルを購入し、カラーを検討しました。数種類のカラーをランダムに配置します。クリアは完全な透明ではなくマット調に。一番キレイなオレンジ色をアクセントに入れたらRYZENのパッケージっぽい配色になりました。

最終的なモデルがこちら。2次元CADと往復しながら、細かい開口、背面コネクター部分の切りカギ、ネジ位置等を落とし込みました。とりあえずの完成イメージに自身で納得してから、実施設計と実際の加工に入っていきます。

設計

同時に2次元CADでこういう姿図も起こしました。一番重要なのはアクリル板を隙間をあけながらどのように留めていくかです。側面図の外周部にある8点で軸を通していきます。

金物関係

今回は細かい寸法が指定できるミスミでパーツを探してみました。気分は完全に機械設計です。質感の統一からすべて材質はステンレスとしています。

①両端に目ネジが切ってある回転軸と、②段付きボルトを組み合わせます。回転軸は軸径5mmとし、M3のねじを両端に切ってもらいます。ちょっと細いような気もしましたが、パイプと違って中身が詰まっているので、強度は問題ないかと思います。

段のねじ部分がM3ネジで、段になってるところを軸と同じ5φとしています。表に出てくるネジは基本的に十字やマイナス頭ではなく、六角穴をチョイスしました。作業的には別に6角レンチが必要になるので面倒だと思いますが、そのほうがかっこいいかなと。ヘッドは極低頭タイプをチョイス。さらにアクリル板を座繰りしてこの頭を埋め込むように考えています。沈めフライスも併せて購入しました。

パネル間2mmの隙間は特寸のステンレススペーサーを使用します。内径は上の軸が通るようにM5用、外径は8mmとしました。実は上の段付きボルトの頭の径も8mmなので組み合わせると8mmφの金属棒が通ってるような仕上がりになるかと狙っています。

マザーボードをパネルに固定するスペーサーもミスミで注文しました。よくPCショップで売られているスペーサーは真鍮製でH寸法が6.5mmとなっていますが、少しでも寸法を詰めるため5mmのものを注文しました。こちらももちろんステンレス製をチョイス。

最後にこれは金物でもミスミでもないですが、これはゴム溝。これのちょうどいいサイズのものをパネルの下部の一部にはめてゴム足の代わりとします。

PCパーツ関係

最初のパーツ構成では触れなかった、というか設計しながら選定した細かいパーツ類です。

電源スイッチはこういう丸型の押しボタンを用意しました。ステンレスで無駄に防水性。丸穴をあけてアクリル板に挟み込むだけなので加工も簡単です。ちなみに、PCの電源は押してる間だけ電源が通る「モーメンタリ」というタイプになります。

マザーボード側に刺すコネクタが必要なので、テスト用の簡易スイッチを流用して加工します。

今回フロントパネル周りのスイッチは電源のみとしました。リセットスイッチってあまり使わないし、電源のLEDやHDDアクセスランプも、画面を見ればわかるので前々から無駄だなぁと感じていました。極力シンプルなデザインに。

とは言ってもUSB端子とかは最低限必要なわけです。ということでこんなUSBハブを探しました。iMacのディスプレイの下に取り付けられるやつですが、もちろんWindowsでも使用できますし、取り付け用の爪でうまいことアクリル板の隙間に挟み込めそうな感じです。最近はカメラも頻繁に使用するようになったので、SDカードリーダーが付いてるタイプにしました。

そしてUSBハブをこんなアダプターを介して、マザーボード上のUSB3.0内部コネクタに最短で接続します。

他、今回選んだMicroATXマザーボードには無線LANが付いていませんでした。つなげられるなら出来れば有線LANがいいですが、無線もあるに越したことはないですよね。無線LANカード用のM.2スロットが空いていたので、追加で購入しました。Wi-Fi 6とBluetooth 5.0に対応したモデルです。

アンテナはよくマザーボードに付属しているようなタイプではなく、ノートPC用の薄型内蔵タイプとしました。電波の強度は少し心配ですが、外に大きな棒が飛び出てくるよりかはいいんじゃないかと。ここはデザイン優先ですね。

ついでにこんなものも購入。CPUクーラーはNoctuaのトップフローモデルを使用しますが、付属ファンはNoctuaカラーなので。ヒートシンクの下に隠れるので見えにくいところではありますが、黒で存在感をさらに消そうと思います。

加工データの作成

Jww_cadで作成したデータ

今回はレーザー加工機で制作するので、設計図とは別に加工用のデータを作成しておく必要があります。データ形式はイラストレータで線データを読み込みます。イラストレータはdxfも読み込めるので、jww_cadで作図してdxf形式で保存したものでもOKです。もちろんイラストレータに慣れている人はそれで作成した方がスムーズです。

3つ大きな島がありますが、左からそれぞれ2mm・3mm・5mmのデータです。今回は大量にカットするので効率的に作業が出来るようにデータを考えて作りました。ポイントは以下の4点。

  1. 加工機に入るだけ、一度の加工で出来るだけ多くのパーツ切れるようにする。
  2. 加工順に線を色分けしておく。
  3. レイヤー分けは色ごと、ではなく、一回に加工するデータでまとめる。
  4. dxfファイルは複数に分けない。1ファイル内に全ての線データを描いておく。

1.は使用する加工機のサイズを調べておいて配置します。厚みが同じであれば小さいパネルは複数並べても大丈夫です。

2.は切る順番を考えて色分けしてしておきます。細かい切り抜きになる部分を先に、外側のアウトラインを最後にして何色かに分けておきます。ちゃんと設定しておかないと、切り落ちて位置がずれた上に焦点のあってないレーザーが想定外の線を引いて、材料が無駄になります。

3.も重要なポイントです。何となく普段からCADを触ってるものからすると、加工順の色分けでレイヤーを分けてしまいがちですが、今回は1加工、1シートごとに1レイヤーとして分けます。大量のデータがある場合はこちらの方がイラストレータ上で作業しやすいです。

4.これも重要です。こうすることでイラストレータでの読み込みを1回で済ませることが出来ます。イラストレータ上での作業をいかに簡単に済ませられるかがコツです。その理由は後で出てきます。

工作

いよいよ加工に入っていきます。レーザー加工機は自宅から車で15分ぐらいのところにある、ホームセンターの工作室で時間貸ししてもらえるので、そちらをフルに利用します。当方は中国地方の広島市在住ですが、市内ならカインズLECT広島店がおすすめです。

trotec Speedy300

作業の流れ

大まかな作業の流れは以下になります。

  1. データの入ったUSBフラッシュメモリを、設置のノートPCに差し込んで、作成した線データをイラストレータに読み込む。
  2. イラストレータで線種の設定をし「JobControl」 という専用のCAMソフトにデータを送る。
  3. 「JobControl」上で加工位置の調整と出力設定を行う。
  4. 材料を加工機にセットして、レーザーの焦点を合わせる。
  5. 加工スタート

あとは必要な枚数だけ2-5の繰り返しです。

準備

まずレンタルの受付をして、はいどうぞって言われても、本体の電源が入ってないことがあります。電源スイッチはメインの加工機の背面、左上角の方にあるので、付いてなかったらさも当たり前のようにONにします。

設定用のノートPCとレーザー加工機が接続されていない場合は横のUSBケーブルをノートPCに接続します。そして、必ず自分のノートPCも持ち込みます(手前のSurface)。実際に作成したCADデータをチェックしたり、問題を発見したらその場で修正できます。

作業環境を確認します。trotec社のHPに最適な環境条件が載っています。
【室温】+15 ℃~+25 ℃
【相対湿度】40%~70%
一応問題ないかチェックしておきます。気温が少ないなら少し出力を上げる等の調整が必要かもしれません。丸いのはキッチンタイマーで、加工時間を測定します。

材料を置く加工台が水平に据え付けられているか確認します。

レーザーが出てくるノズル部分に目立った汚れがないか、前の人の削りかすが付着してないか検査鏡でチェックします。気になったらレンズクリーナーとか、眼鏡ふきで掃除します。

イラストレータでの作業

準備が出来たら備え付けのノートPCでデータを読み取ります。ただ、注意しないといけないのが、このPCめちゃくちゃスペックが低いんですよね。なのでイラストレータ自体よく落ちます。再起動で数分かかりますが、その無駄な時間、全て加工作業時間として取られていきます。なので、イラストレータ上の作業をいかに少なくするかが、全体の作業時間を減らせる一番の方法だと思います。(あくまでここのカインズに限ってのことですが。)

イラストレータで作成したDXFファイルを読み込みます。作成した図面によっては縮尺を調整する必要があります。

とりあえず情報ウィンドウを表示して、適当な線をクリックしてから縮尺があっているか確認。また全ての加工線を範囲選択し、線の太さを0.003pt(0.001mm)に設定します。そして全てのレイヤーを開いた情報のままで、適当な線をクリック。「選択」>「共通」>「カラー(線)」とメニューを選択して、同じ色を一括選択。そしてレーザー加工機用のカラーセットに1色ずつ変更していきます。

全ての加工線を変更したら、加工したいレイヤーのみを表示して印刷設定を行います。表示中のレイヤーのみ印刷という設定で、レーザー加工機のドライバーで設定してプリントすると、専用のCAMソフト「JobControl」にデータが飛びます。

とかやってるとイラストレータが落ちました。線とプリンタの設定が終わったら必ずイラストレータ形式でもファイルを保存しておきましょう。

JobControl での作業と設定値

「JobControl」では加工データの配置と、色分けした線ごとにレーザーの出力を決定します。設定するパラメータは以下の通り。

Z-Offsetはかなりの厚物を切るときの設定なので今回は0のまま。

Passesも全て1階で切りたいので1のまま。

PPI/Hzは周波数ですが、これは材料の硬さによります。アクリル板と一言で言っても、 大きく 押し出し材とキャスト材の2種類があるのですが、硬いキャスト材の方がレーザー加工にむいている(断面がきれい)らしいので、今回は全てキャスト材としました。この場合はPPI/Hzは10000とします。押し出し材や他のMDF板では1000でいいので、ここが間違いやすいポイント。今回もいくらか切り損ねてしまいました。

Air assistは切りくず・粉を吹き飛ばす空気のオン・オフです。通常のカットはオンでいいようですが、透明部材のカット面をより滑らかにしたい場合はオフの方がいいということもあるみたいです。

あとは厚みによってパワーとスピードを調整します。パワーが高い方が厚いものが切れるが、高すぎると溶ける、もしくは発火する。スピードが速い方が早く切れるが速すぎると切り損なうという相関なので、事例を参考に何度か試し切りを行います。(試し切りの小さいデータを作っておくと無駄が少ないです。)

今回各厚みごとの設定は以下の通り。
※必ずしもこの設定でうまくいくことを保証するものではありません。

厚みプロセスパワースピードPPI/HzPassesAir assistZ-Offset
2mmカット750.70100001ON0
3mmカット750.50100001ON0
5mmカット500.15100001ON0
5mm
クリア
カット500.10100001OFF0

パラメータを設定すると、おおよその加工時間が計算されます。一応キッチンタイマーで実時間も測ってみましたが、この表示はかなり正確でした。

材料のセッティング

いよいよ材料を加工機にセットします

カインズでは最初からハニカム構造のベースがついていますが、このまま直にアクリル板を置くと、ハニカムの薄い板が当たってるとこだけ、材料が溶けるといった結果になります。なので材料を空中へ浮かす必要があるのですが、今回は50x50mmのアルミアングルを使用し4周へ配置しました。長さも300mmで加工材料にちょうどいい長さです。真ん中は材料が落ちてしまわないように、こちらもH50mmのアルミ角を置いています。

アクリル板を置いたら操作パネルで作業台を上下させてレーザーのピントを合わせます。ここはできるだけ丁寧に行わないと、レーザーのピントがずれて精度が悪くなります。

ノズルをここを基準に切ってほしいという所まで移動させてから、JobControlで原点を合わせます。

JobControlでスタートボタンを押すと加工が始まります。5mmはゆっくり切らないといけませんが、2mmの場合は結構なスピードでノズルが動きまくります。

加工中はピー(もしくはビー)っていうレーザーを照射する音と、レーザー特有の焼ける匂いがあたりに立ち込めます。

その他の注意点

あとはひたすらこれを繰り返していくだけなのですが、加工中は機械のそばを離れてはいけません。設定をぎりぎりまで攻めているとたまに炎が見えるので、やばい!と思ったらすぐにふたを開ければ加工はストップします。

また、加工中に隣で次のデータと材料を用意しておくと流れがスムーズです。

成果品

ということで切り出し終えたのがこちら。

サイドパネル、ビデオカード用の排熱スリット。
実は今回、枚数が多かったこと、設定出しに手間をとられたことから、失敗も含めて何回も、何週にもわたってホームセンターに通いました。

後加工

せっかくホームセンターで作業をしているので他の加工もついでにやってしまいます。ケースの外側になる小口をサンダーで磨くという作業と、下記のように段付きボルト等を沈める加工を行いました。

組付け・完成

あとは組み立てるだけなのですが、このケースパネル枚数が多くて、その隙間を維持するためのスペーサーも大量です。さらに寸法を詰めまくった結果、ケースを組み立てて後からパーツを固定していくというやり方では納まりません。パネルを重ねていきながら同時に組み付け・配線を行いました。めちゃくちゃ面倒でした。

苦労して完成したのがこちら。

頑張ったかいがあったのかどうかは不明ですが、次回作るときはもう少し作りやすい設計にしようと思います。他の完成写真はこちらから。

Tag: レーザー加工機 , 自作PC , 自作ケース
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Comments

  1. 2020.11.22 14:57 :yakshaver

    こんにちわ。

    素晴らしいケースですね!

    独創的なだけでなく、ちゃんと放熱も考えられていて、かつ、おしゃれにまとまっている感じがさすが建築屋さんと思いました。

    アクリル板もここまで仕上げてもらえると、本望だと思います。

    僕も今年Ryzenでケースを作ってみました。といっても、オープンフレームなのですが。

    https://github.com/hidsh/ParastiPC

    このPCは最初3600+リテールクーラで組み立てたあと、3950X+Noctua NH-D15 chromax.black に換装して3D CAD用として1ヶ月ほど使いました。

    https://twitter.com/_gnrr/status/1304565832081580034

    ですが、かなりオーバースペックだったので僕も元の3600に戻したという経緯があります。

    銀河ヒッチハイクガイド、今晩観てみます!
    それでは。

    • 2020.11.24 02:04 :Kitamura

      コメントありがとうございます!
      なかなか16コアCPUは使い切れないですよねw

      作品拝見させていただきました。
      3Dプリンター羨ましいです!
      ぜひ「Deep Thought」作ってみてください!

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