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建築士会工作体験イベントの報告 SHOPBOTでデジファブ体験

/ 20.04.24
DIY

2020年2月、建築士会(正確には広島県建築士会の広島支部の中のさらに青年部の集まりだけど面倒くさいので以後“士会”とする)で工作体験イベントを行いました。最新のデジタルファブリケーションに触れようということで、SHOPBOTと合板で建築士っぽいお花見宴会セットを制作しました。場所はこのHPでやたら出てくる、カインズ広島LECT店です。この度は僕の担当会ということで、どうやって準備したのか、データをどうやって作るかなど、イベント内では解説しきれなかったノウハウを解説します。

イベントの概要と報告

上はイベント案内で配ったチラシです。なんか皆で工作したいよねって話と、もともと僕がデジタルファブリケーションやりたいって言ってたので、言い出しっぺが責任もって担当させて頂きました。デジタルファブリケーション(以後デジファブ)ってのはコンピューターで設計したデータをそのまま加工機に送れる今時っぽい工作手法で、レーザー加工機や3Dプリンターもこれにあたります。今回は人手が集まりそうなので、少し大きいものが作れることを見込んで、3’x6’(910x1820mm)の合板を自動で切り出すことが出来る「SHOPBOT」という機械を使った工作をしました。

デジファブでどんなものが作れるかというと、以下のページもご参考に。

以前にSHOPBOTで個人的に制作した子供用のプレイハウス
こっちはレーザー加工機でアクリル板を切り出した自作PC

通常の工作やDIYだと、手書きかCADで引いた紙の図面を見て、材料に鉛筆やらでけがいて、手で切り出してヤスリかけてっていう流れが、CAD→自動で材料切り出しとなるので、それはそれは速く正確に物を作ることが出来るようになりました。もちろん、組立や調整、切る以外の加工は必要ですが、一番面倒な加工を自動化できるというのがデジファブのメリットです。

作るのはもうすぐ春ですねってことでお花見用の宴会セットをデザインしました。具体的には以下の4点。

  • 七輪のおける桜の形のテーブル
  • 家形の大型燻製器
  • 変な形のごみ箱
  • ランタンをつるすためのトライポッド

※お花見はもちろん中止となりました。

場所はご存じカインズ広島LECT店。こちら、ザ・地方都市「広島」では珍しいSHOPBOTやレーザー加工機などの面白い工作機械をレンタルしていて、また木工用の材料や工作機械、組立スペースもそろっているので、非常に便利がいいです。加工しながら、やっぱりあれがいるこれがいる、ついでにバーベキュー時の七輪も買っといて合わせてみようなんてことも出来ます。

また、こちらのカインズ工房では一般の方向けに色んなワークショップが開催されています。

ワークショップのスケジュールはこちらからご確認ください。

https://www.cainz.co.jp/diy_style/workshop/hiroshima.html?fbclid=IwAR2ODBsJYDDf6JGcC1rqVAKDFuGyP20t5Uf7TNCy-IzT5Cw5z2Sj1d2PT1M

※2020年4月現在、5月末までイベントは中止となっています。

その中でSHOPBOTを使ったワークショップをされている大田さんにご協力いただき、建築士会専用に(通常とは別日に)ワークショップを開いていただくことになりました。大田さんありがとうございました!

大田設計事務所 大田さん

なので対外的にはカインズのワークショップに建築士会のメンバーで参加しているというだけですね。

最初にデジファブってこんな機械があって、こんなことできるんですよ~っていう紹介。

SHOPBOTの仕組み、操作方法、データの作り方等をレクチャー。

SHOPBOTの設定を見学

早速切り出し

どんどん切り出し

切ったそばからどんどん組み立て

完成!日曜の午後だけで無事4品作り上げることが出来ました。お疲れさまでした!

こんな事してました準備編

とここまでは参加された方なら知ってることで、ここからは僕がそれまでにやってきた準備の話。実は結構手間かかってるんです。

なに作ろっかなーってラフ画からとりあえずSketchupで立体化してみた図。こんな作るけどいい?って見せる用。

次にすぐ設計に入るんじゃなくて、一応模型で検討してみました。上は模型用のSketchUPモデル。2.5mmのMDFから1/10縮尺のモデルを制作します。パーツはレーザー加工機で切り出しました。レーザー加工用にDXF形式の平面データも作っています。

レーザー加工機で切り出し中の様子。

切りだしたパーツを組み立て。休日に無理やり付き合ってもらったのは、同じくイベント担当の橘さん。

デザイン、パーツの勝ち負け、組立方法などを確認。

小口が黒いのはレーザーで焼き切っているからです。(独特な匂い)

最終的に施工モデルを作成します。模型と施工用って何が違うかというと、使ってる板の厚みが違うんで、単純に縮小、拡大しているわけではないんですね。パーツを組み合わせるはめ込み部分とか、材料の厚みを考慮して全て調整しなおします。最終的にカット用のDXFデータと併せて、以下のような図面も作成。この部品図、完成図面をもとに切り出したパーツを組み立ててもらいます。

(しれっとHPの宣伝)結局、プランから基本設計、実施設計と3回モデリング検討してるんですね。トータルで1週間ぐらいはかかったと思います。続いて細かい設計のルールを解説します。

SHOPBOT用加工データの作り方

レーザー加工機もSHOPOBOTもデータはDXFが読み込めます。AutoCADだけでなくJww_cadからも変換できるので、実は建築屋にとってはとっつきやすいとです。実際に上の図面や加工用のデータはJww_cadで作成しています。ただデータを作る難易度としてはレーザー加工機よりもSHOPBOTの方が難しいです。その理由は3点。

  • ビット(ドリル)で削っていくのでその太さを考えながら設計する必要がある。
  • 材料に厚みがあるので、はめ込み部分のクリアランスの取り方が難しい。
  • パーツは完全に切り離さず、タブでくっつけておかないといけない。
  • タブの後処理が必要。
  • 木材なので厚みに多少の誤差がある。

まず、設計する上でビットの動きを把握しておく必要があります。CADで図面を読み込んだ後、CAM上でその線の上をなぞるか、内側をなぞるか、外側をなぞるかを指定することが出来ます。すると以下の図のような削り方をします。

この時、出隅はピン角にできるのですが、入隅はRが残ってしまうんですね。これが一番外側で他のものと干渉しないパーツだったらいいのですが、はめ込み部分にあたることできっち角まで落としておきたい場合、以下のような方法が考えられます。

右下の式はS(ビットの断面積)に対してどれくらい余計に削る面積があるかということを示しています。基本はパターンCで問題ないです。赤線のように作図して外側を通るように指定するとよいでしょう。

また、カインズのSHOPBOTで使用するビットは直径が1/4インチ(6.35mm)です。(持ち込めば色んなビットが使えますが、設定をしないといけないです)なので、6.35mm巾の削り代が出来るということになります。また、ビットで結構な力をかけて削っている以上、パーツを完全に切り離すような設定はできません。細かいパーツが飛んできたりすると危ないですからね。プラモデルのランナーのようにしておく必要があります。タブ自体はCAM上で配置するので図面上に何か書く必要はありませんが、その配置まで考えていれば万全です。特に問題になるのが、パーツとパーツのはめ込み部分にタブが来てしまうと、それを切り離して、綺麗にやすりをかけるのはかなり大変です。可能な限りなくした方がいいというのが下の図です。

あまり考えないとAのようにホゾの中にタブが残ってしまうのですが、材料の厚みを薄くしたり、線をもう1本入れることで残りを完全に消すことが出来ます。

また作図する際はカット順を考え、線の内側、外側の設定が違うものなど、レイヤーを分けておくようにしましょう。CAM上で選択しやすいです。

最後にホゾのクリアランスについてです。これはなかなかノウハウが必要でなかなか難しく、うまくいくかどうかやってみないとわかりません。また、使用方法によってどれぐらいのクリアランスが欲しいのかも変わってきます。

  • ハンマーでたたかないとはまらない。(二度とはずれてほしくないパーツ)
  • 手で強く押し込まないとはまらない(搬入出時はばらす必要がある)
  • 手であまり苦労せずにはまる(毎回組み立てて使用するものなど)

さらに以下のルールによって広くとる必要があります。

当たり前と言っちゃ当たり前なんですが、面倒くさくてそのまま行くと、全く入らないという悲惨なことになります。

参考までに今回のイベントのものは以下のようなルールで作図しました。

  • 材料の厚みに対してホゾの幅は+1.5mm
  • 単発ではめ込むホゾの長さは+1mm
  • 連続するホゾの長さは+2mm

一番よく使用したのは11㎜厚のOSBボードでしたが、この厚みだと手で簡単にはめ込めるという結果になりました。今回は少しビビッて余裕を持ってしまいましたが、もう少し詰めてもよかったように思います。少し緩かったです。また、厚みに関しては木材なのでばらつきがあります。ノギスで測ると今回も厚いところでは11.5mmあったので、そこから+1mm にしています。+0.5mmでもよかったような感じですが。

ランタンを下げるトライポッドだけ24mm厚の合板としましたが、あちらはこのルールだと硬かったです。ハンマーでたたけば入っていく状態でしたが、これこそ大きくてばらして保管したかったので、途中まででストップしました。

う~ん難しい。データを作成したら専用のCAM(Vcarve Pro)に読み込んで設定していくんですが、そこはマニュアル見ながらなんとかなる程度です。一つポイントとしては、タブは最小限に配置し、出来るだけ任意の位置で調整しましょう。

まとめ

ということでかなり細かい解説までしましたが、需要あるのかな?一応自分用の備忘録ってことで。もう一回ぐらいなんか作ってノウハウを熟成させたいですね。

あとはせっかく作ったんだから、早く宴会したいよね。
夏に出来るかな?夏なのに桜かいな。早く収まれ~。

↓昼休みに何となくとった会社近くの公園の桜

夏なら向日葵、秋なら紅葉、冬なら雪(結晶)のテーブルが必要だ!

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