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Panasonic テクノストラクチャー工法覚書き

/ 19.03.24
建築

3/23(金)、Panasonicショールーム広島にて日本建築家協会広島地域会のイベントがありました。内容は新商品のPRと最新のキッチンでおつまみ作っての立食パーティ。とりあえずの新商品はHPで適当にチェックしていただくとして、最近やたら押されてるような気がする「テクノストラクチャー工法」のPRがあったので、よくわからないところを色々聞いてみました。

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テクノストラクチャー工法とは

パナソニックが販売する木構造で専用の軽量鉄骨と集成材を合わせた梁材「テクノビーム」を使用した工法です。

テクノビームはこんな感じ。6mスパンまでは鉄骨部W100、木部W105で統一されています。梁成は290~395mm(木部含む)。鉄骨部は溶融亜鉛メッキ仕上げです。

メーカー側の売り

・鉄骨梁だから木梁と違ってたわみ量が少ないスパンを飛ばせる。
・通常で6m 8m・10m(グランドテクノビーム)まで対応可能
・耐火性能もあるので、住宅だけでなく3階建てまでの施設(福祉施設等)にも対応
・木造だからS造・RC造と違ってコスト的にも有利。納期も安定。

といったところ。これだけ見ると非常にいい感じです。

気になる点

確認申請上は「木造」でいいらしいです。

Panasonicの工事範囲はテクノビーム(梁材)と接合金物の搬入、構造計算とプレカット加工図の提供まで。梁以外の木構造は別途プレカット業者に発注する必要があります。

テクノビームについて

上の絵では「軽量H形鋼」って書かれていますが「形鋼」ではないです。ウェブとフランジを単板から切って溶接するビルド品です。なので比較的納期が安定ってことなのでしょうか。

集成材は構造材ではないそうです。大工さんが床や天井を張るためのただの留め代です。木ビスと接着剤でくっついています。下面は木部なしっていう指定もできるそうです。

柱との接合はドリフトピンで行います。
通し柱はできません。構造だけ見ると1Fと2Fが鉄骨梁によって完全に分断されたような格好になります。ドリフトピンなので接合が強いですよ!ってカタログでは書かれていますが、このピン接合の耐力のコーナー金物は普通にあります。もちろん、ドリフトピンで対応できない耐力の部分はホールダウン金物を追加します。必要な個所にホールダウンを通す穴がフランジに開きます。

梁同士の接合に使用するボルトは木造でも使われる一般品です。亜鉛メッキではありません。真鍮っぽい色の「クロメートメッキ」になります。デザイン的にはそのままでは表しでは使えなそうな感じです。ボルトを溶融亜鉛めっきにするとか、亜鉛メッキ仕上げの梁の上から塗装をするとかしないといけません。
ただ、大スパン(8m以上)になると高力ボルト接合になります。(鉄骨の技術者資格が必要。木大工では不可。)この場合はボルトは溶融亜鉛メッキ仕上げです。

6mスパンまでは鉄骨部W100、木部W105で統一されています。
それ以上になると鉄骨部だけWが広がり、 木部からはみ出ます。(8mでW125、10mでW150)なので外壁面には基本的には使用できないそうです。木胴縁を打てば調整はできると思うけど、基本的にガレージ部の大開口とかはNGだとか。

天井内に隠れるから問題はない・・・のか

その他

設備配管は通常の鉄骨と同じように梁貫通が可能です。
鉄骨をずらしてフラットバルコニーが可能
持ち出し梁も可能
斜め壁も可能

感想

そもそもこの構造、歴史は古く、阪神淡路大震災の年(1995年)から販売されているようです。もうすぐ4半世紀。その分実績は多いのですが、木造にこだわり、RC造・S造の置き換えなら最新のCLTや集成部材で十分に対応できる範囲です。ちょっと中途半端な感じはしますね。使いたいかと言われれば微妙かも。

ただ、このテクノストラクチャーとホームエレベーターの商品を合わせて、外付けエレベーターを10㎡以内で増築しませんか、っていう提案は面白かったです。

KITAMULABO建築 / 19.03.24 /