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建築

本業の建築に関して、勉強したり考えたりしたことをまとめています。

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Revitのベンチマークを計測してみた

2020.11.25

BIMを導入するのにどれぐらいのパソコンの仕様が必要なのか悩みますよね。XeonがいいのかCoreシリーズで良いのか、グラフィックはQuadroの方がいいのか、等々。国内の情報だとどうもはっきりしないので、自分でRevit用のベンチマークを取って検証してみました。明確な結論はまだですが、方向性は見えたかなという感じです。

Revitのベンチマークソフトは?

ベンチマークソフトっていうのはそのソフトを動かした時のパソコンの性能を数値化するソフトです。調べてみるとこういう物がありました。

https://revitforum.org/showthread.php/35955-RFO-Benchmark-v3-X

海外のRevitのフォーラムより「RFO Benchmark」というものです。

上のリンクからRevitのバージョンに合わせたプログラムがダウンロードできます。ダウンロードしたZipファイルを解凍すると8個のショートカットが含まれています。

「Full_」と書かれた3種類が通常の操作、「Graphics_」と書かれた4種類が表示関係に特化した操作、「Terminate」っていうのはベンチマークを途中で終了させたい時に使用します。どれでも起動してみると、実際にインストールしているRevitが起動し、所定の操作が自動で行われ、内部でその処理にかかった時間が記録されていきます。処理が完了すると結果がテキストデータで保存されます。詳しくは「Readme」をチェック。

実行中・・・

出力結果はこんな感じです(一部省略)

各操作、処理にかかった時間(秒数)が表示されていますので、これらの時間が短かければ短いほど高速で快適に動作していると言えます。

今回は出来るだけ細かく測定したいので「Full_Standard」と「Graphics_Expanded」の2種類を実行します。

測定環境

今回ベンチマークを測定するPC構成です。全くタイプの異なる2種類のCPUと2種類のグラボを用意しました。

構成①ゲーミングPC構成②サーバーPC
マザーボード
チップセット
AMD B550Intel C621
CPURyzen7 3700X
8コア16スレッド
3.6GHz – 4.4GHz
全コアTB 4.0GHz前後
XEON QQ89 Cascade Lake-SP
第2世代 Scalable Processor ES品
24コア48スレッド×2CPU
2.2GHz – 3.7GHz
全コアTB 2.7GHz前後
メモリDDR4-3200(UDIMM)
16GB×4枚=64GB
DDR4-2133(RDIMM)
16GB×16枚=256GB
ストレージ
(Cドライブ)
CFD販売 M.2 SSD 2280
PCI-E Gen.4 x 4 1TB
maxSW 5,000MB/s
maxSR 4,400MB/s
トランセンド M.2 SSD 2280
PCI-E Gen.3 x 4 1TB
maxSW 3,400MB/s
maxSR 1,900MB/s
電源FlexATX 600WSFX-L 800W

構成①は自作PCでよく見られるゲーミング仕様です。グレード的にはミドルハイといったところ。近年勢いのあるAMDのRyzen7(IntelのCore i7と同等)に高速なオーバークロックメモリを組み合わせ、更にAMDのCPUでのみ利用できる高速なSSDを組み合わせています。

半年前に筐体から製作したメインPC 制作紀はこちら

対して構成②は超メニーコア&大容量メモリのサーバー仕様です。XEONのESを2個使用し、普通の自作では絶対に拝めない夢の構成になっています。絶対的な速度は①に劣りますが、膨大なデータを一度に扱うことが出来ます。

今回追加で用意したサーバー仕様マシン

この2台をベースに、グラフィックボードを2種類用意しました。

A:一般的なゲーミング用「GEFORCE RTX 2060 Super

B:CAD・モデリング用「Quadro RTX 4000

値段は3倍以上違いますが、内部的な使用はほぼ同じミドルクラスのグラフィックボードです。(両方ともめずらしいNVIDIAの直売品)正確にはQuadro RTX 4000Geforce RTX 2070と同じですが、2070の後に出た本来下位グレードの強化版であるRTX 2060 superの方が安くて2070と同等性能ということで、そちらを選びました。詳細な仕様は下記参照。

Quadro
RTX 4000
Geforce
RTX 2070
Geforce
RTX 2060 super
アーキテクチャTuringTuringTuring
CUDAコア230423042176
定格クロック非公開14101470
ブーストクロック非公開16201650
VRAM規格8GB GDDR68GB GDDR68GB GDDR6
VRAM帯域幅416GB/s448GB/S448GB/S
TDP160W175W175W
参考価格
2020年11月時点
¥140,000 ~¥50,000 ~ ¥40,000 ~

以上、本体2種類とグラフィックボード2種類、4通りの組み合わせで計測しました。

計測結果

記録された処理時間をEXCELでグラフにまとめてみたものが以下になります。

通常操作の「Full_Standard」。なんとレンダリング以外は全てRyzen環境のほうが高速、またほぼ全ての場合においてQuadroよりもGeforceが高速という結果になりました。

表示関係の「Graphics_Expanded」。こちらもほぼ全てRyzen環境、Geforceの方が高速という結果になりました。

この速度差について注意しておかないといけないのは、Ryzen環境のほうがストレージのSSDが約2倍高速です。(PCIe gen4とgen3の違い)この差も結構効いて来ているのではないかと思いますので、絶対的数値についてはあまり正確な比較にはなっていません。ただ、たしかに言えるのは8C16TのRyzenより、48C96TのXeonが速くなかったという事実です。Quadroも同じ。Geforceより速くないね、という感じです。

なぜコア数・及び合計クロック数が大きいのに高速にならないのか?

続いて、計測時のCPU使用率を表したグラフが下記になります。計測にはHWiNFOという別のソフトでログを取って、同じくEXCELでグラフ化しました。クリックで拡大します。少し見にくいですが、オレンジ線がどこかのスレッドの最大使用率で青線がCPU全体の使用率になります。

通常操作の「Full_Standard」

表示関係の「Graphics_Expanded」

どちらもざっくりですが、Xeonの方がCPU使用率が低く、メニーコアを活かしきれてないことがわかると思います。ということで、この時点での結論はこの4種類の組み合わせならRyzen+Geforceが速く、おすすめであると言えます。

ここで新たな疑問が生まれてくるのが、一体Revitは何コアまで利用するのか?何コアが一番速いのか?ということ。ということで2つ目の検証を行います。

検証2

ではコア数の違う別のRyzenを複数個用意しまして・・・と言っても出来るわけではないので・・・せっかくなのでXEONをベースに検証していきます。

大は小を兼ねる!ということで4コア8スレッドから48コア96スレッドまで、4コアピッチで「Full_Standard」を回してみた結果がこちら。グラボはQuadro固定です。クリックで大きくなります。

※横軸は処理時間を秒数で表したもので、数値が低いほど速い
※各処理で一番速い結果を黄色で塗っています

これを見ると24コア48スレッドまでは順当に高速化しています。レンダリングなら32コア64スレッドが最速ですがそれ以上は速くならないようです。逆に最もマルチな48コア96スレッドはちょっと遅いという結果に。このあたりはコア数の割付の相性やCPU個体の問題もあるかもしれません。28コア56スレッドも何か変です。(怪しい値になった部分は再計測しています)

結論

今回の検証からRevitを動かすパソコンの仕様は「ゲーミングPC」でOKです。グラフィックボードもゲーム用、Geforceの方がおすすめです。

とりあえずこれ買っときゃ間違いないねってCPUはAMD Ryzen 9 5950X

シングルスレッド性能最速にして16コア32スレッド!なのにMini-ITXでも組める!っていう代物。2020年11月下旬段階では発売直後で在庫わずか。

これ以上マルチスレッドになると、代わりに動作周波数が下がっていくし、全てのパーツのグレードとサイズが上がってくるので、どんどんコスパが悪くなっていきます。

一応あえてXeon等のプロフェッショナルグレードを選定するメリットも触れておきますと、Xeonは温度上昇時の制限が低いこと、エラーチェック機能のついたECCメモリが使用できるなど、安定と信頼性が違います。24時間マシンを動かして、いざってときに壊れる確率が少ない、その保険のために選定するという場合もあります。

ただ、同じ速度の一般向けCPUと比べると高価です。CPUだけでなく、マザーボード、メモリも全て高くなりますので、よほど予算に余裕がある場合を除いて、ゲーミングPCをおすすめします。

ちなみに、今回は純粋にRevitの動作のみの検証で、Revitの動作のみを最優先した場合のおすすめ構成になります。使用している他のソフトや業務内容によって、おすすめの構成は変わってきますのでご注意下さい。

国内でRevitのベンチマーク情報は少ないので、これからもあたらしいPCができましたらデータを集めていこうと思います。以上!

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2020年一級建築士の試験について

2020.7.20

2020年、今年初めて一級建築士試験を受けてみました。結果は学科で惨敗。なぜだめだったのかという反省と、これから1年どうやってやろうかと言う計画を考えてみました。

プロフィール

まずは状況説明ついでにプロフィールです。

北村くん 1988年生(満32歳):現在二級建築士
既婚 2女児(2歳と0歳)のパパ (共働き:奥さんフルタイム)

ちっちゃな専門学校卒なので、3年実務経験後、二級建築士取得(2回受験)。4年実務経験を経て2020年、今年やっと一級建築士初受験。長いので、間で建築積算士とインテリアプランナーも取ってみましたが、建築士は今年から実務経験よりも先に試験だけは受けられるようになるという、全くメリットのない法改正でした。

結果

試験終了後、総合資格学院で即日採点サービスを申し込んでみました。結果は以下の通り。

やばいですね。惨敗。無事通過予定の方や、有資格者の方は笑ってください。

敗因と言い訳

落ちた原因ははっきりしています。圧倒的な勉強不足です。パパになると時間がない!信じられないくらい自分の時間がとれないです。去年、二人目が生まれたり、3月頃急に引っ越したりして、なかなか落ち着いた時間が確保できない状況で、やらなければいけないんだけど、モチベーションがどんどん下がって行ってました。もちろん独学。学校に通うお金も、時間もないです。それでも一応、1ヶ月ぐらいはなんとか時間をやりくりして頑張ってたつもりだったんですが、結果はこんな感じ。やはり二級とは比べ物にならない難易度でした。

学校に通うか独学か

学校に通える人は絶対に通ったほうがいいです。お金がないなら借金してでも行ったほうがいいです。確実に勉強時間確保できるし、わからないところはすぐ聞けるし、一緒に勉強する仲間もいるのでモチベーションが維持できます。ただ、決まった時刻に決まった時間を確保できない、毎週末家を開けられないなんて人は、しょうがないので独学で腹を決めてかかるしかありません。

一応学校に通う場合のデメリットというものも苦し紛れに挙げてみます。

全ての人に同じカリキュラムとなっているので(何個かコースが有ったとしても)自分に最適なスケジュール、最適な勉強量になってはいないということ。新卒の子と違って、そこそこ実務経験があると全く経験値が違うし、科目によっても得意不得意が全く違うわけですよね。そこを一様にやっていくのはナンセンス。結構無駄な時間が多いのではと考えられます。

また、資格学校は基本的に毎年毎年、あれが変わったとか、難易度が上がってると言って、こちらの恐怖心をあおり契約を迫ってきますが、基本的には一定数を確保しないといけない国家資格なので、急に新出問題だけになるなんてことないんですよね。また、学校は時間をかけて量を教えるほどお金になることを考えると、できれば最小限の力で最短ルートで通りたいという、時間のない社会人にとっては全く真逆の方向性と言えます。

ということで、どうせあの葡萄は酸っぱいんだと決めてかかったら、腹をくくって自分(きつね)を信じて孤独に戦いましょう!

過去問の重要性

やはり勉強の中心は過去問です。8割は過去問の中から出ます。色んな人に聞くと「過去問さえやっていれば通るんだ」という人と「過去問だけじゃ絶対に通らない」という2タイプの人がいます。後者は資格学校関係者の人に多いですが、僕はどちらも半分正解で半分不正解だと感じます。それは「過去問をパーフェクトにマスターして、内容を100%理解して、過去問で必ず100点とれる」ようになっていれば合格間違いなしでしょう。ただし、そのために「ただ過去問を何周しました」というだけでは通らないと思います。どこが出るか、傾向がはっきりわかった上で、その用語の意味や使い方を100%理解し、更にこの問題をもとに別の問題を作ろうと思ったらどういったいじり方になるか、関連する用語は何かなど、深く勉強する必要があると思います。

今年やってみた工夫

今回の試験で惨敗した僕ですが、資格学校では絶対にやらないであろう勉強の仕方として、こんな事をやっていました。

1.要点整理と過去問の参考書を裁断機でぶった切る!

1家に1台はあると思われるこういう裁断機を使って参考書をぶった切りました。何がしたかったかというと、過去問って年ごとにまとめられているものを科目別に分けて並べ替えたんですね。

過去問はR1(学科Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅴ)H31(学科Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅴ)・・・
解答・解説編R1(学科Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅴ)H30(学科Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅴ)・・・となっているものを
学科Ⅰ過去問R1→H30→H29・・・解説編R1→H30→H29・・・
学科Ⅱ過去問R1→H30→H29・・・解説編R1→H30→H29・・・



更にこれらの頭に別冊の要点整理の参考書も切り分けてつけて、科目別の参考書を作っていました。これをすると要点整理をさらって→過去問やってと科目毎の反復が早くて、めくるページも無駄が少なくて1周目が早いんですよね。

また、1回ばらばらにしておくと、スキャンしやすいというメリットもあります。会社のコピー機で休憩時間にまるごとスキャンしとけば、ちょっとした空き時間にスマホでPDFをチェックすることも可能です。

2. 過去問の答えになっている問題文を抜き出してExcelにまとめる

過去問の4択の内、ほとんどが誤っているものを答えますが、それを正しい文章にして一覧にまとめるという作業。結構傾向が丸わかりだし、この問題は何度出ているとか、この数値はこの種類だけしか出てこないとかいうのがわかる。データなので、自分が何回か間違えているところを赤文字にして各教科印刷して、試験前に眺めていました。かなり効率的なやり方だとは思いますが、やっぱりそこからしっかり時間をかけないとだめですね。

施工だけ抜粋

来年に向けてやってみたいこと

ということで、来年の試験に向けて今からスタートです。時間もあるといえばあるし、学校には行けないので、ちょっとおもしろいアプローチで、他の受験者にも役立つような勉強法をしてみようと思います。

1.過去問データベースの作成

過去問をもっともっと研究し、分析するため、全ての過去問をデータベース化しようと思います。正解の問だけ抜粋したり、科目別にソートしたり、科目をまたいでキーワードで抜き出したり、自由自在。余裕があればアプリ化してスマホにも突っ込んでおきたいですね。

とりあえずAccessで入力中

2.法令集徹底分析

落ちた腹いせに今年ので買えるもの全部買ってみました!独学ということは何を使っても自由です。自分は実務でずっと青本を使用してきたので今年の試験にも迷うことなくそれを使いましたが、最適かと言うと違うような気がします。全て見比べて、手に取らないとわからない紙質も含めて近々レポートでまとめようと思います。

また、来年の物が出る12月までに、インデックスの貼り方、アンダーラインの引き方を徹底的に研究するつもりです。

他にもできることは色々やってみて、このホームページで報告しようと思います。

あえて先に建築士会に入っておくという裏技

実は僕がちょっとやってることで、メリットだと思うのがこれ。一級を取るよりも先に建築士会に入ってみるという方法です。建築士会って試験監督したり、建築士のサポートやイベントを企画してる団体で、各都道府県にあるんですが、二級建築士でも持っていれば正会員で、持ってなくても準会員として参加できます。また、たいがいのところには青年部ってのがあって、交流会や会議とか行くと、同じ年代20~40代ぐらいまでの人がいて、試験についても、勉強方法とか色々と教えてくれます。無料で講習会をやってくれることも。

僕は二級を取ってちょっと立ってから、仕事の幅を広げたり、横のつながりが欲しいなと思って入会してみたんですが、ある程度時間は取られるものの、今の所メリットしかないです。人脈は大事。試験監督が顔なじみだったりします。(これに関しては直接的なメリットはないですが)

若い世代に言いたいこと

こういう大型試験はできれば独身のときに取っておいた方がいいです。結婚して子供ができると自分の時間なんてないです。特に今年度から実務経験よりも先に受験できるようになったので、とりあえずでも受けたほうがいいです。学校に通うのも、まだ仕事に責任がない位のうちの方が通いやすいですし、カリキュラムも無駄が少ないと思います。

また最近は、僕らのような建設業者は施工管理のほうが重要だなんて風潮もありますが、建築士資格のある施工管理技術者とそうでない施工管理技術者とでは、図面の理解度、法律の理解度、施工のクオリティが全く違ってきますので、絶対あったほうがいいんです。みんな挑戦だ!んでみんな建築士会に入って建築業界を若手の力で盛り上げていこう!

なんつったりして。少なくとも、自分がとおった後も、何かしら他の人の受験に役立つようなデータが残せるように、モチベーションを持って1年間頑張っていこうと思います。

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建築士会工作体験イベントの報告 SHOPBOTでデジファブ体験

2020.4.24

2020年2月、建築士会(正確には広島県建築士会の広島支部の中のさらに青年部の集まりだけど面倒くさいので以後“士会”とする)で工作体験イベントを行いました。最新のデジタルファブリケーションに触れようということで、SHOPBOTと合板で建築士っぽいお花見宴会セットを制作しました。場所はこのHPでやたら出てくる、カインズ広島LECT店です。この度は僕の担当会ということで、どうやって準備したのか、データをどうやって作るかなど、イベント内では解説しきれなかったノウハウを解説します。

イベントの概要と報告

上はイベント案内で配ったチラシです。なんか皆で工作したいよねって話と、もともと僕がデジタルファブリケーションやりたいって言ってたので、言い出しっぺが責任もって担当させて頂きました。デジタルファブリケーション(以後デジファブ)ってのはコンピューターで設計したデータをそのまま加工機に送れる今時っぽい工作手法で、レーザー加工機や3Dプリンターもこれにあたります。今回は人手が集まりそうなので、少し大きいものが作れることを見込んで、3’x6’(910x1820mm)の合板を自動で切り出すことが出来る「SHOPBOT」という機械を使った工作をしました。

デジファブでどんなものが作れるかというと、以下のページもご参考に。

以前にSHOPBOTで個人的に制作した子供用のプレイハウス
こっちはレーザー加工機でアクリル板を切り出した自作PC

通常の工作やDIYだと、手書きかCADで引いた紙の図面を見て、材料に鉛筆やらでけがいて、手で切り出してヤスリかけてっていう流れが、CAD→自動で材料切り出しとなるので、それはそれは速く正確に物を作ることが出来るようになりました。もちろん、組立や調整、切る以外の加工は必要ですが、一番面倒な加工を自動化できるというのがデジファブのメリットです。

作るのはもうすぐ春ですねってことでお花見用の宴会セットをデザインしました。具体的には以下の4点。

※お花見はもちろん中止となりました。

場所はご存じカインズ広島LECT店。こちら、ザ・地方都市「広島」では珍しいSHOPBOTやレーザー加工機などの面白い工作機械をレンタルしていて、また木工用の材料や工作機械、組立スペースもそろっているので、非常に便利がいいです。加工しながら、やっぱりあれがいるこれがいる、ついでにバーベキュー時の七輪も買っといて合わせてみようなんてことも出来ます。

また、こちらのカインズ工房では一般の方向けに色んなワークショップが開催されています。

ワークショップのスケジュールはこちらからご確認ください。

https://www.cainz.co.jp/diy_style/workshop/hiroshima.html?fbclid=IwAR2ODBsJYDDf6JGcC1rqVAKDFuGyP20t5Uf7TNCy-IzT5Cw5z2Sj1d2PT1M

※2020年4月現在、5月末までイベントは中止となっています。

その中でSHOPBOTを使ったワークショップをされている大田さんにご協力いただき、建築士会専用に(通常とは別日に)ワークショップを開いていただくことになりました。大田さんありがとうございました!

大田設計事務所 大田さん

なので対外的にはカインズのワークショップに建築士会のメンバーで参加しているというだけですね。

最初にデジファブってこんな機械があって、こんなことできるんですよ~っていう紹介。

SHOPBOTの仕組み、操作方法、データの作り方等をレクチャー。

SHOPBOTの設定を見学

早速切り出し

どんどん切り出し

切ったそばからどんどん組み立て

完成!日曜の午後だけで無事4品作り上げることが出来ました。お疲れさまでした!

こんな事してました準備編

とここまでは参加された方なら知ってることで、ここからは僕がそれまでにやってきた準備の話。実は結構手間かかってるんです。

なに作ろっかなーってラフ画からとりあえずSketchupで立体化してみた図。こんな作るけどいい?って見せる用。

次にすぐ設計に入るんじゃなくて、一応模型で検討してみました。上は模型用のSketchUPモデル。2.5mmのMDFから1/10縮尺のモデルを制作します。パーツはレーザー加工機で切り出しました。レーザー加工用にDXF形式の平面データも作っています。

レーザー加工機で切り出し中の様子。

切りだしたパーツを組み立て。休日に無理やり付き合ってもらったのは、同じくイベント担当の橘さん。

デザイン、パーツの勝ち負け、組立方法などを確認。

小口が黒いのはレーザーで焼き切っているからです。(独特な匂い)

最終的に施工モデルを作成します。模型と施工用って何が違うかというと、使ってる板の厚みが違うんで、単純に縮小、拡大しているわけではないんですね。パーツを組み合わせるはめ込み部分とか、材料の厚みを考慮して全て調整しなおします。最終的にカット用のDXFデータと併せて、以下のような図面も作成。この部品図、完成図面をもとに切り出したパーツを組み立ててもらいます。

(しれっとHPの宣伝)結局、プランから基本設計、実施設計と3回モデリング検討してるんですね。トータルで1週間ぐらいはかかったと思います。続いて細かい設計のルールを解説します。

SHOPBOT用加工データの作り方

レーザー加工機もSHOPOBOTもデータはDXFが読み込めます。AutoCADだけでなくJww_cadからも変換できるので、実は建築屋にとってはとっつきやすいとです。実際に上の図面や加工用のデータはJww_cadで作成しています。ただデータを作る難易度としてはレーザー加工機よりもSHOPBOTの方が難しいです。その理由は3点。

まず、設計する上でビットの動きを把握しておく必要があります。CADで図面を読み込んだ後、CAM上でその線の上をなぞるか、内側をなぞるか、外側をなぞるかを指定することが出来ます。すると以下の図のような削り方をします。

この時、出隅はピン角にできるのですが、入隅はRが残ってしまうんですね。これが一番外側で他のものと干渉しないパーツだったらいいのですが、はめ込み部分にあたることできっち角まで落としておきたい場合、以下のような方法が考えられます。

右下の式はS(ビットの断面積)に対してどれくらい余計に削る面積があるかということを示しています。基本はパターンCで問題ないです。赤線のように作図して外側を通るように指定するとよいでしょう。

また、カインズのSHOPBOTで使用するビットは直径が1/4インチ(6.35mm)です。(持ち込めば色んなビットが使えますが、設定をしないといけないです)なので、6.35mm巾の削り代が出来るということになります。また、ビットで結構な力をかけて削っている以上、パーツを完全に切り離すような設定はできません。細かいパーツが飛んできたりすると危ないですからね。プラモデルのランナーのようにしておく必要があります。タブ自体はCAM上で配置するので図面上に何か書く必要はありませんが、その配置まで考えていれば万全です。特に問題になるのが、パーツとパーツのはめ込み部分にタブが来てしまうと、それを切り離して、綺麗にやすりをかけるのはかなり大変です。可能な限りなくした方がいいというのが下の図です。

あまり考えないとAのようにホゾの中にタブが残ってしまうのですが、材料の厚みを薄くしたり、線をもう1本入れることで残りを完全に消すことが出来ます。

また作図する際はカット順を考え、線の内側、外側の設定が違うものなど、レイヤーを分けておくようにしましょう。CAM上で選択しやすいです。

最後にホゾのクリアランスについてです。これはなかなかノウハウが必要でなかなか難しく、うまくいくかどうかやってみないとわかりません。また、使用方法によってどれぐらいのクリアランスが欲しいのかも変わってきます。

さらに以下のルールによって広くとる必要があります。

当たり前と言っちゃ当たり前なんですが、面倒くさくてそのまま行くと、全く入らないという悲惨なことになります。

参考までに今回のイベントのものは以下のようなルールで作図しました。

一番よく使用したのは11㎜厚のOSBボードでしたが、この厚みだと手で簡単にはめ込めるという結果になりました。今回は少しビビッて余裕を持ってしまいましたが、もう少し詰めてもよかったように思います。少し緩かったです。また、厚みに関しては木材なのでばらつきがあります。ノギスで測ると今回も厚いところでは11.5mmあったので、そこから+1mm にしています。+0.5mmでもよかったような感じですが。

ランタンを下げるトライポッドだけ24mm厚の合板としましたが、あちらはこのルールだと硬かったです。ハンマーでたたけば入っていく状態でしたが、これこそ大きくてばらして保管したかったので、途中まででストップしました。

う~ん難しい。データを作成したら専用のCAM(Vcarve Pro)に読み込んで設定していくんですが、そこはマニュアル見ながらなんとかなる程度です。一つポイントとしては、タブは最小限に配置し、出来るだけ任意の位置で調整しましょう。

まとめ

ということでかなり細かい解説までしましたが、需要あるのかな?一応自分用の備忘録ってことで。もう一回ぐらいなんか作ってノウハウを熟成させたいですね。

あとはせっかく作ったんだから、早く宴会したいよね。
夏に出来るかな?夏なのに桜かいな。早く収まれ~。

↓昼休みに何となくとった会社近くの公園の桜

夏なら向日葵、秋なら紅葉、冬なら雪(結晶)のテーブルが必要だ!

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建築士会全国大会で北海道まで行ってきた

2019.10.1

毎年開催される建築士会の全国大会に初めて参加。北海道まで行ってきたのでフォトレポートです。なお半分は普通の観光です。

旅程はこんな感じ↓

1日目

広島空港から飛行機で札幌へ向かいます

久しぶりの飛行機に少し興奮

座席は非常口横なので翼の様子がよく分かる

千歳から札幌駅へ移動

昼食はジンギスカン丼(結構邪道らしい)

タクシーでモエレ沼公園へ移動。イサムノグチデザインの公園。園内はかなり広いのでレンタサイクルで散策。一時間ぐらいしかいられないとおばちゃんに言うとびっくりされた。それぐらい広い。

ガラスのピラミッド
イサムノグチはルーブルの I・M・ペイ と友達だったらしい
こんな遊具もある
プレイマウンテン
テトラマウンド
モエレ山  高さ52mは結構高い
頂上からは札幌が一望できる

夜はススキノでプチ豪遊♪

夜行バスでホテル代わりに函館へ移動します

2日目

バスは5:30、日の出とともに函館駅前に到着。駅のトイレで顔を洗ったら、駅前の函館朝市で朝食を。

活イカ
タラバガニ

ちょっと移動して五稜郭公園へ

五稜郭タワーに登りました。

展望台からは函館が一望できます
港の方もよく見える

やっと会場入り

函館アリーナ
横断幕

午前中はセッション部会へ参加。午後からは藤本壮介の記念講演、本大会と続きます。

オープニングは 江差追分

本大会は来賓の挨拶と表彰だけで1時間半見てるだけ。最後にちょろっと来年の広島大会の宣伝とアピールタイムがあって、懇親会へ。

懇親会会場は全国から集った建築士でいっぱい

その後の夜景バスツアーにも参加してきました。

函館山の夜景
このために三脚持ってきてよかった!

あとは二次会~三次会とフラフラ流れていきます。

北海道の生はサッポロクラシック
そんなにうまいわけではない

3日目

ちょっと遅めに起きてから散歩しながら函館駅へ向かいます。

派手派手なラッキーピエロ
豚なのにやきとり弁当
海岸沿いのおしゃれなスタバ
金森倉庫
函館駅はカーブしたターミナル駅

函館市内のエクスカーションも申し込んでいたんですが、広島方面に台風が迫っていて、その日中に飛行機が着くかわかんないというアクシデントが!いろいろ考えて、早めに陸路で帰りました。(結局飛行機は予定通り飛んだらしい)

鉄ちゃんもびっくりな乗車券
指定席はかなりゆったり。
ぼ~っとしてたら青函トンネル寝過ごしてた。

反省

疲れるとシャッター数が少ない。

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「住宅の射程」を読んで

2019.9.15

先日のJIAカフェタイムで聞いた本「住宅の射程」を読んでみたので、その感想です。

TOTO出版

本自体はAmazonから古本を1円で購入しました。送料のほうが高いです。

内容はTOTOギャラリー間の20周年記念展「日本の現代住宅1985-2005」にあわせて開催された連続講演会 で、4人の建築家が「21世紀の住宅論」をテーマに語った内容を質疑も含んでほぼそのまま収録されています。

磯崎新は「住宅は建築じゃない」論を学生時代からずっと唱えているらしいが、とりあえず話(文章)が難しくてあまり頭に入ってこない内容。そして自分の作品、他の人の作品も含めて実例が全く出てこないので、話の内容が無いような内容。

安藤忠雄は「住宅は建築の基本」と自分の実例をいつもの安藤節で語る。ほとんど自分の作品の話。

藤森照信は文章としては一番面白いし、建築好きなんだなって感じが伝わってくる。ほとんど人の作品の話で最後にちょっと自分の話。

伊藤豊雄も小難しいこと言ってるようで意外と言葉自体はわかりやすくて好印象。人の話と自分の話が半分半分ぐらい。

ここで住宅と建築を分けて考えてんのって磯崎新だけなのね。ちょっと意外だったのは藤森照信も西沢立衛の森山邸とか藤本壮介のTハウスとか、今どきの一見するとこんなの人が住めるのかい?みたい作品を肯定的でむしろ好意的に例として挙げてたこと。

色んな住宅の話とこれからの人の暮らしや社会の在り方とか、いろんなヒントが散りばめられていて楽しい本でした。

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1日では足りない!直島~豊島 瀬戸内国際芸術祭レポート

2019.8.6

7月28日 建築士会広島支部青年部会のイベントで、瀬戸内国際芸術祭を開催中の直島まで行ってま来たのでフォトレポートです。

公共工事のあり方を考える、叡智学園見学会レポート

実は前の日はこちらの見学会に行ってきたので岡山泊の途中参加です。
朝一で宇野港から直島の宮浦港へ渡りました。

フェリーはこんな感じ

直島

横断幕の宮浦港からスタート。集合までぶらぶら歩いて周ります。

フェリーターミナルはSANAAの設計。
薄くてフラットな屋根とそれが浮いているかのような細い柱が非常にきれい。

埠頭の先には草間彌生の赤カボチャ

港の反対側に直島パヴィリオン

30分程歩いて島の反対側まで歩くと三分一さんの直島ホール

安藤ミュージアム

こういったノスタルジックな路地裏に

こんな壁面アートがあったり

こっちはかき氷屋さんかな?

本村港までやってきました。このモコモコもSANAAの設計。
雲のようなイメージで作ったFRPの塊は、思った以上に黄緑であまりきれいではないかも。
でも自由に整形できて色や透過度もコントロールできる樹脂は今後建築でももっと増えていくでしょうね。

内部は木フレームの格子との対比が面白い。
ここから高速艇で豊島へ向かいます。

豊島

豊島上陸。
ここで他の参加者と合流してレンタサイクルで島を西へ向かいます。

きれいな海岸は島の東端。奥に見えるのは小豆島。

「心臓音のアーカイブ」色んな人の心臓の鼓動を体感できる。(音を聞くだけではない)

「勝者はいない」

海から山側に向かってなだらかに段々畑が広がります。

中腹に見えるのが今回のメインの目的地、豊島美術館。西沢立衛の設計。

暑い中、結構並んで待ちます。

ぐる~っと回って入口へ向かいます。

奥の穴の空いたのがメインの建物(?)
手前がミュージアムショップ兼レストランになっています。

中は撮影禁止でした。
思った以上に広い空間で、風と光を感じながら静かで穏やかな時間を過ごすことが出来ます。

このためだけにわざわざ来てもいいかも。かなりおすすめ。

かわってこちらは島キッチン。島の食材を使った料理が食べられるレストラン。

ながらかな庇は小さな木の板を針金で単管に結んでるだけで出来ている。

いい感じの路地

湧き水に癒やされる

「コロガル公園」

「ウミトタ」古民家リフォームのホテル。
本業で普通に勉強になるいい感じの作り。外壁のつぶつぶは貝殻(裏)が埋め込んであります。

「いちご屋」で休憩。 島で採れたいちごを使った 冷たいデザートが食べられます。
写真のかき氷は「いちご大福ミルクかき氷ビッグサイズのソフトクリーム+」で約1200円

「豊島横尾館」は横尾忠則のミュージアム。
古民家が真っ赤に染まり不思議な空間と展示が広がる。(書いてても意味わからんけどホント)

「針工場」今季からの新作は昔の針工場に古い舟形を逆さに置いたもの。
なんとなくかっこいい。

横の建物にはその舟形の界壁だけ抜き取ったものを展示。
こういうの好き。

並んでこんな感じ。
こっからフェリー乗り場に戻って終了。
暑さにやられてこのあとは写真を撮る気力もなかったみたい。

まとめ

島のあちこちでアートに触れられる非常に面白い体験でした。
見るところはいっぱいあるので直島と豊島はそれぞれ1日ずつかけてじっくり楽しみたいところです。一番のおすすめはやはり豊島美術館。まだの人は是非行ってみて!暑いけど。

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公共工事のあり方を考える、叡智学園見学会レポート

2019.8.5

7月27日 建築士会の新規入会者向けの見学会で、大崎上島の「広島県立広島叡智学園 中学校・高等学校」に行ってまいりましたのでレポートです。なかなか考えさせられる内容でした。

現場まで

場所はこちら、瀬戸内海の島です。
橋もかかっていませんが、母親の里でもあるので全く冒険感がない、見慣れた風景。

現場最寄りの大西港へは安芸津港から渡ります。

中電の火力発電所
フェリー

最寄りの大西港から3km程、バスに揺られて現場へ到着です。

駐車場

どこが正面玄関かってのはわかりにくい感じです。
アーチ状の回廊を通って管理棟へ向かいます。

今どきなサイン

概要

広島県発注の新しい中高一貫校です。
中学は1クラス20人ずつ(少な!)の2クラス×3学年。
高校は1クラス30人ずつの2クラス×3学年。
全校生徒は300 人になる予定。

工期は1~3期に分かれており、今年(2019年)の春で1期工事が完了。
4月に1期生の中学生が男女20人ずつ計40名入学し、寮生活をしながら勉学に励んでいます。今はちょうど夏休みで全員が帰省中だそうです。
工事の方は引き続き2期工事の真っ只中で2020年の春までに特別教室棟と体育館が完成します。
3期工事は1年おいて2021年から残りの寮等が完成します。

奥の会議室で設計のシーラカンス&アソシエイツと土井一秀建築設計事務所、そして学校側からの説明を受け、各エリアへと進んでいきます。

上は概念図、下は配置図。

各エリア

フリーアドレス式の職員室
オカムラの最新什器で統一されています

職員室等が集まる管理棟は木造平屋建てです。
木構造が表しになっており、壁もCLTのスライスのような合板や、普通の合板をそのまま表しにしています。

上は一番大きい「みかん広場」です。非常に気持ちいい。
タイル貼りの池もあります。

RCのアーチが続く回廊は学びの回廊、囲まれた広場は学びの広場となります。

アーチ状の部分はテーパーが付いています。外側の角には面木も入っている模様。相当面倒だったんだろうなというお仕事。

回廊の屋上へ上がって見下ろすと、先程の管理棟はシート防水仕上げでした。驚くほど緩勾配。
一方飛び出している三角はトップライトになっています。

回廊の雨水は竪樋なしのガーゴイル。下は砂利敷だけだけど・・・。

教室棟へ向かいます。こちらも木造平屋建て。
外壁は焼き杉の上にクリア塗装がしております。

こちらは各教室をつなぐ図書コーナー。明るく開放的。

各教室は部屋に分けられていません。

角の柱はオフセットして配置。
大型の木サッシが引き込まれています。

全ての教室にホワイトボードと最新の短焦点プロジェクターが設置されています。

食堂等へ向かいます。
この廊下の庇、CLTのでっかいパネルをH鋼で挟んであるみたい。

食堂等は基本的にRC造です。
食堂(カフェトリウム)は黒い塗装の梁と天井で急に落ち着いたイメージ。
横に音楽ステージが併設されています。

カフェテリアの方は明るいイメージになっています。

カフェテリアには和室が併設されています。

その奥に家庭科室(↑裁縫等)と調理教室(↓)

寮の方へ進んでいきます。

こちら側は在来の木造で、土井さんの設計になります。
黒い部分の外壁は焼き杉無塗装。

管理棟を抜けるとコテージのような寮が木庇の廊下で緩やかに繋がります。

複数戸が庭に面してユニットを形成しています。

工事中の現場も見せて頂きました。
こちらは特別教室になる棟。皆さん接合金物に夢中。

感想

広い敷地を十分に生かしたゆとりある配置計画。
当日はよく晴れていたこともあり非常に気持のいい空間が広がっています。

ただ、これは県立の公立学校なんですよね。
自分自身も税金納めてる以上(微々たるもんだけど)ちょっとお金かけ過ぎなような気がします。

もちろん教育に予算を割くことと、子供達にいい環境で勉強させることには大賛成なんですが。学校として本当に良い建物なのかはちょっと怪しいかもしれません。

まず木造の校舎ですが、お金のかかる集成材に県産材は使われていません。
(在来の寮棟では使用されているようですが。)
なので地域で余っている木材の利用及び循環、林業の活性化にはあまり役に立っていません。今どきな設計をやってみたかっただけと言う雰囲気が感じられます。また、100年、200年と長持ちするしっかりとした設計にもなっていません。外壁に表しの木壁はあっという間に風化していくでしょう。薄い軒、庇は台風で持つかどうかも伺わしいところ。基本的に穏やかな気候ではあるんですが、たまには台風も来ますよ。海はすぐそこだし。(塩も舞う)

また分棟形式は非常に気持ちいですが、外壁・サッシがすごく増えるので同じ床面積でもものすごく予算が増加します。RC造の回廊もアーチがきれいですが、非常に手間も予算もかかって用途としては只の渡り廊下なんですよね。(う~ん)そして分棟としたことで、セキュリティが非常に悪いです。島にそんな人はいないとは思いますが、目的を持って島に渡ってくる人もいるかも知れないわけですよね。そこに小学校をこの間出たばっかりの子たちも含めて寮生活をしているわけです。 大学ぐらいだったらいいかもしれませんが。
一方寮の方は寮母さんのいる管理棟が中心にあるものの、庭を回ればそれぞれの棟は行き来し放題です。最終的には高校3年生までいるわけですから、校内のセキュリティも男女問わずそれでいいの?って感じです。

もちろん根本的には、全く新しい教育システムを模索し挑戦することは非常に賛同します。良いも悪いも開校してスタート切っちゃった訳ですから、ここで働く先生方や生徒達に頑張って欲しいところ。建築的には10年ぐらいしたら大規模な点検と改修が必要になるかもしれませんが、それまでに進学校としての地位に育つかどうか。やたら偏差値高くなっても、広島県に帰ってきて就職してくれないと意味ないんでしょうけど・・・。

一番問題なのは最悪廃校になった場合、再利用する需要があるかといわれば100%ないんですよね、この島。
色々と考えさせらる見学会でした。

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今なら無料のTwinmotionというレンダリングソフトがすごい

2019.7.9

TwinmotionというLumionみたいなレンダリングソフト、というか建築向けビジュアライゼーションソフトがちょっと前から無料で使えるようになっています。早速ダウンロードして、ArchiCADで作成したバルセロナ・パビリオンをもとにパースを作ってみました。今回はムービーにもチャレンジ。

Twinmotion とは

もともとはフランス製の建築ビジュアライゼーションソフトです。
ヨーロッパの設計事務所で採用が多かったらしいです。
2017年からレンダリングエンジンにUnreal Engine 4(ゲーム開発環境)を採用しており、今どきのゲームっぽい早くてわかりやすいプレゼンテーションツールです。
何が出来るのかは以下の公式サイトをご確認ください。

[blogcard url=”http://www.twinmotion.jp/feature/index.html”]

このTwinmotionが、今年2019年になって Unreal Engine 4 のEpic Gamesに買収されたようで、今年の11月まで今のバージョンが無料で使えるようになっています。もともとは30万円近くするものだった模様。
11月過ぎても今のバージョンはそのまま使えるようですが、 Unreal Engine 4 自体が最新のリアルタイムレイトレーシングに対応しているので、新しいバージョンはその機能を全面に出してきて結構なお値段になるのかもしれません。

ということでダウンロードしない手はありません。ダウンロードはこちらから
https://www.unrealengine.com/ja/twinmotion

導入はちょっとだけ面倒くさいです。
①Epic Gamesのアカウントを作成。
②UnrealEngineの最新バージョンをダウンロード ・インストール 。
③Twinmotionをダウンロード ・インストール 。
④使用するCAD、BIMのプラグインがあればそれもダウンロード・インストール。

RevitやArchiCADはリアルタイムで連動する(BIMでの変更が再読込しなくてもTwinmotionに反映される)プラグインがありますので、そちらから起動出来ます。

バルセロナ・パビリオンのパース・ムービー

ということで早速ArchiCADで作ったバルセロナ・パビリオンのモデルを使ってパースを出力してみます。

ArchiCAD上でレンダリングしたもの。10分ぐらいかかってこのクオリティ。

Lumionみたいに木とか人とか選んで配置していきます。パスといってラインを引くとその上をランダムに人や車が出現して交通が生まれるツールも面白いです。
あとは位置や方角、天気・時間を調整すると、小一時間でこんな感じ。

クリックで元データが表示されます

レンダリング自体は4K解像度で10秒程度。爆速!

次に、面白そうなのでムービーを作ってみました。カットを指定して行くと、それをつなぐようにムービーにしてくれます。カット次第で鳥の目線や、ウォークスルー的な動画にもなります。

Youtubeにアップロードしてみました

簡単に動画ができます。
これもフルHD解像度で出力に2分ちょっとというところ。爆速です。

カットごとに時間も変えられるので1日の移り変わりもシミュレーションできます。

Lumionと比較してみると

Lumionで作ったパース

レンダリングの品質はLumionのほうが圧倒的に高いです。設定も細かく、オブジェクトも豊富。もちろん、無料になる前の値段を比較しても圧倒的にLumionのほうが高いので当たり前といえばそうですが。ただ、フリーソフトと考えると信じられないクオリティで、出来ることも多いです。ムービー、パノラマ、VR等々。色んなプレゼン手法が使えるようになる。コレは面白いですよ。

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Lumionの基本操作を習得する

2019.5.27

Lumionはレンダリングのソフトです。
ArchiCADでバルセロナ・パビリオンをモデリングしましたが、せっかくなのできれいにレンダリングしてみました。

ArchiCAD内部で行ってレンダリングはこんな感じ。悪くはないけど殺風景ですね。

一方、Lumionでレンダリングするとこんな感じです。

教育版なのでウォーターマークが入ります

うん、全然違う。さすが専用ソフト。
このソフトで何をやっているかというと、植栽や人等のオブジェクトの配置と、背景の空や太陽の向きの調整、あとはカメラ的な設定です。さぐりさぐり小1時間で出来ます。

操作画面は至ってシンプル。
操作系は少し特殊だけど、よく見るとヒントが書いてあるので安心です。

オブジェクトはこんな感じで配置します。
人は基本的にアニメーションになっていて、選択中のお姉さんもこの状態ではその場こぎを続けています。ムービーもできるようですね。それはまた今度チャレンジしてみようと思います。
オブジェクトの種類もたくさんあります。人は外人ばっかりですが(アジア系は居る)、老若男女問わず色んなスタイルが揃っています。植栽は単純な木から、背景用の森まであります。右の水平線ぐらいに見える車とか建物もオブジェクトで、同じように配置していけます。他にも、舞い散る落ち葉とか、噴水、煙などのアニメーションもあります。

楽しいのでいっぱい配置したくなるのですが、作業としては先にカットとアングルを決めてから物をおいていったほうが、無駄な作業が少なくなります。

空の表現も雲の量とか自由に調整できて面白いですよ。
以下、別カットです。

水面はArchiCAD上で【水】と指定してそのままの状態
空の飛行機雲とかも追加・調整可能です
テクスチャはArchiCAD上で指定したままです

なかなかのクオリティです。しかもレンダリングがめちゃくちゃ速いんですよね。
上記の5枚(4K解像度)で2~3分ぐらい。

次は照明を入れて夜景にもトライしてみようと思います。

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ArchiCADの基本操作を習得する

2019.5.27

ArchiCADの基本操作を勉強するため、ミースのバルセロナ・パビリオンをモデリングしてみました。
バルセロナ・パビリオンの図面は手持ちのものがありましたので、そちらを見て作っています。
PDF図面は下のページからダウンロードできます。

3Dビューの表示はこんな感じ。Revitと違ってArchiCADはパースが付いています。SketchUpとかに慣れている人はこちらのほうがありがたいですね。簡単なウォークスルーもやりやすいです。

平屋建てなので平面図と立面図を1枚に収めてみました。
図面枠はシンプルな1本線ですが、プラン段階はこんなものじゃないでしょうか。

平面図・立面図

PDF図面はこちらからダウンロード。

パース

パースはArchiCADに標準搭載されている、Cinema4Dエンジンでレンダリングしています。
レンダリング速度は遅いです。が、クオリティはそこそこな感じです。

ArchiCADの操作系は少し特殊な感じがします。まだデフォルトの設定で使用しているのと、ショートカットもあまり使用してないので評価する段階ではないかもしれませんが、Revitと比べるとちょっとだけ手がもたつく感じがします。

逆にArchiCADがいいのはグラフィック表示です。デフォルトの3Dビューが非常に綺麗で、よりリアルなイメージを持ちながらプランすることが出来ます。ArchiCADをとりあえずCGソフトとして導入するという事例もあるらしいですが、確かにRevitよりも向いていると思います。また、デフォルトで入ってる家具におしゃれなものが多く、ネットをあさらなくてもそこそこ形になるのがありがたいです。バルセロナチェアもデフォルトで入っています。

次はArchiCADでも独自プランをしてみようと思います。

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