「住宅の射程」を読んで
2019.9.15
先日のJIAカフェタイムで聞いた本「住宅の射程」を読んでみたので、その感想です。

本自体はAmazonから古本を1円で購入しました。送料のほうが高いです。
内容はTOTOギャラリー間の20周年記念展「日本の現代住宅1985-2005」にあわせて開催された連続講演会 で、4人の建築家が「21世紀の住宅論」をテーマに語った内容を質疑も含んでほぼそのまま収録されています。
磯崎新は「住宅は建築じゃない」論を学生時代からずっと唱えているらしいが、とりあえず話(文章)が難しくてあまり頭に入ってこない内容。そして自分の作品、他の人の作品も含めて実例が全く出てこないので、話の内容が無いような内容。
安藤忠雄は「住宅は建築の基本」と自分の実例をいつもの安藤節で語る。ほとんど自分の作品の話。
藤森照信は文章としては一番面白いし、建築好きなんだなって感じが伝わってくる。ほとんど人の作品の話で最後にちょっと自分の話。
伊藤豊雄も小難しいこと言ってるようで意外と言葉自体はわかりやすくて好印象。人の話と自分の話が半分半分ぐらい。
ここで住宅と建築を分けて考えてんのって磯崎新だけなのね。ちょっと意外だったのは藤森照信も西沢立衛の森山邸とか藤本壮介のTハウスとか、今どきの一見するとこんなの人が住めるのかい?みたい作品を肯定的でむしろ好意的に例として挙げてたこと。
色んな住宅の話とこれからの人の暮らしや社会の在り方とか、いろんなヒントが散りばめられていて楽しい本でした。