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講習会レポート

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ヒロシマBIMゼミに参加してきた話

2019.5.1

前々から気になってた広島の杉田三郎建築設計事務所が定期的に行っている「ヒロシマBIMゼミ」というイベントがありました。

4/26(金)初めて参加できましたのでレポートです。
結論から言うとBIMやコンピューターによる設計手法・デザインを勉強してる人、したい人は是非参加するべきです。広島でその手の設計をやってる人達が集まってくる、すごいコミュニティです。

杉田三郎建築設計事務所とは

広島は八丁堀に事務所を構える、広島では結構老舗の設計事務所です。
http://saburosugita.com/top.html

そちらの杉田宗先生は広島工業大学でBIMの実習とコンピューテーショナルデザイン、デジタルファブリケーションの授業・研究をされています。

今の大学生ってRevitもArchiCADもRhinocerosもGrassHopperも教えてもらえるらしい。
まあ羨ましい!

ヒロシマBIMゼミとは

案内のFacebookによると

「ヒロシマBIMゼミ」は2017年より広島工業大学でスタートした「BIM実習」を担当する3名が中心となり、広島でBIMについての意見交換ができる場として3つの目標を掲げ、2ヶ月に1度のペースで開催しています。
・BIMの活用と普及の推進
・BIMを活かした横断的なコラボレーションの誘発
・BIMを始めとする、建築における新たな情報技術の研究
「ヒロシマBIMゼミ」を通して、みなさまとBIMの可能性を広げていきたいと考えております。

https://www.facebook.com/events/237272140473046/

今回はすでに10回目。
「田原設計と杉田設計のBIM」というタイトルでそれぞれの事務所のBIMの使われ方をプレゼンして頂きました。

内容

田原泰浩建築設計事務所の田原先生からはArchiCADの使われ方・使い方のプレゼンです。
ArchiCADはどちらかというと設計事務所向け。設計事務所の業務の進め方に最適化したデザインと、プレゼンに最適なBIMxというビューワーがいい感じです。

いかに作業効率を高めるかということと、外注の設計事務所や設備図等の協力業者等、どのように連携して素早く実施図面をまとめるかという内容が実務的で面白かったです。
・もらった2次元図面のデータを一回PDFにしてからArchiCADに貼り付ける。
・ArchiCADを管理ツールとして使用する。

杉田三郎建築設計事務所の長谷川さんはRevitを中心としたプレゼンです。
Revitはレイヤーがなく、全てカテゴリーとファミリーで管理するのでちょっとずつ慣れが必要です。
Rhinocerosの話もたっぷりして頂きました。
GrassHopperによるプログラミング
LadyBug、 HoneyBeeによる日射検討
Galapagosによる遺伝的アルゴリズムによる検討
他にも
Autodesk Flow Desginによる風洞実験
DynamoによるRevit内でのプログラミング
UnrealEngineによるプレゼン
等々、プレゼン内の画像もさることながら、そのキーワードの多さに目がくらみましたw

どちらもBIMは万能ではない(小回りが利かない)から、それだけに頼ろうとしない。足りない部分を他のソフトで補いつつ、いかに効率化を図るかがコツとおっしゃられていました。また、まず使ってみることが大切ということだそうです。田原先生曰く、図面番号を自動で振ってくれる、それだけで十分に導入の価値があると。

またレンダリングソフトについてはどちらも「Lumion」がおすすめとのこと。オブジェクトも豊富でレンダリングも速いから、最近ではPhotoShopを使うことがだいぶ少なくなったそうです。レタッチ作業を省略できるということですね。(ただし配置した人物が外人ばかりになるのが欠点とか)

懇親会

講習会が終わるとそのままその場で懇親会(立ち話)に移行します。
初参加なので様子を見ながら名刺を配っていきます。

参加されている方は、工業大学の学生(茶髪やピアスは間違いなくそう)、個人の意匠設計事務所、組織設計の若手が多いです。僕みたいな地方ゼネコンはあんまりいない感じですが、たまに積算事務所の人も来られるらしいです。年齢層も同世代が結構いるので居心地いいです。

ソフトの実際の操作についてや、活用方法、これからの建築についてなど、いろんな話が膨らみます。

最近、僕が酔うとたまに言ってることなんですが、
「いまだにBIMに手を出そうとしない人や、こういうプレゼン見させられてワクワクしないって人は、そもそもモノづくりに向いてないじゃないかって思いますよ~」
ワクワクするだけじゃなくってしっかり勉強しようと思います。ごめんなさい。

まとめ

ヒロシマBIMゼミはBIMだけにとらわれず、コンピューテショナルデザインやその発展的な活用法など、毎回広くいろんなテーマで行われているそうです。杉田事務所内にとどまらず、全国レベルですごいお仕事をされている方を呼ばれることもあるそうで、次回以降も楽しみです。BIMに興味がある方、勉強中の方は是非おすすめです!

ちなみに事務所内での懇親会が終わったのが24:00。
そこから店に入って最終的に終わったのが3:00。
次の日もまだ仕事でしたw

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Panasonic テクノストラクチャー工法覚書き

2019.3.24

3/23(金)、Panasonicショールーム広島にて日本建築家協会広島地域会のイベントがありました。内容は新商品のPRと最新のキッチンでおつまみ作っての立食パーティ。とりあえずの新商品はHPで適当にチェックしていただくとして、最近やたら押されてるような気がする「テクノストラクチャー工法」のPRがあったので、よくわからないところを色々聞いてみました。

クリックで公式ページへ移動

テクノストラクチャー工法とは

パナソニックが販売する木構造で専用の軽量鉄骨と集成材を合わせた梁材「テクノビーム」を使用した工法です。

テクノビームはこんな感じ。6mスパンまでは鉄骨部W100、木部W105で統一されています。梁成は290~395mm(木部含む)。鉄骨部は溶融亜鉛メッキ仕上げです。

メーカー側の売り

・鉄骨梁だから木梁と違ってたわみ量が少ないスパンを飛ばせる。
・通常で6m 8m・10m(グランドテクノビーム)まで対応可能
・耐火性能もあるので、住宅だけでなく3階建てまでの施設(福祉施設等)にも対応
・木造だからS造・RC造と違ってコスト的にも有利。納期も安定。

といったところ。これだけ見ると非常にいい感じです。

気になる点

確認申請上は「木造」でいいらしいです。

Panasonicの工事範囲はテクノビーム(梁材)と接合金物の搬入、構造計算とプレカット加工図の提供まで。梁以外の木構造は別途プレカット業者に発注する必要があります。

テクノビームについて

上の絵では「軽量H形鋼」って書かれていますが「形鋼」ではないです。ウェブとフランジを単板から切って溶接するビルド品です。なので比較的納期が安定ってことなのでしょうか。

集成材は構造材ではないそうです。大工さんが床や天井を張るためのただの留め代です。木ビスと接着剤でくっついています。下面は木部なしっていう指定もできるそうです。

柱との接合はドリフトピンで行います。
通し柱はできません。構造だけ見ると1Fと2Fが鉄骨梁によって完全に分断されたような格好になります。ドリフトピンなので接合が強いですよ!ってカタログでは書かれていますが、このピン接合の耐力のコーナー金物は普通にあります。もちろん、ドリフトピンで対応できない耐力の部分はホールダウン金物を追加します。必要な個所にホールダウンを通す穴がフランジに開きます。

梁同士の接合に使用するボルトは木造でも使われる一般品です。亜鉛メッキではありません。真鍮っぽい色の「クロメートメッキ」になります。デザイン的にはそのままでは表しでは使えなそうな感じです。ボルトを溶融亜鉛めっきにするとか、亜鉛メッキ仕上げの梁の上から塗装をするとかしないといけません。
ただ、大スパン(8m以上)になると高力ボルト接合になります。(鉄骨の技術者資格が必要。木大工では不可。)この場合はボルトは溶融亜鉛メッキ仕上げです。

6mスパンまでは鉄骨部W100、木部W105で統一されています。
それ以上になると鉄骨部だけWが広がり、 木部からはみ出ます。(8mでW125、10mでW150)なので外壁面には基本的には使用できないそうです。木胴縁を打てば調整はできると思うけど、基本的にガレージ部の大開口とかはNGだとか。

天井内に隠れるから問題はない・・・のか

その他

設備配管は通常の鉄骨と同じように梁貫通が可能です。
鉄骨をずらしてフラットバルコニーが可能
持ち出し梁も可能
斜め壁も可能

感想

そもそもこの構造、歴史は古く、阪神淡路大震災の年(1995年)から販売されているようです。もうすぐ4半世紀。その分実績は多いのですが、木造にこだわり、RC造・S造の置き換えなら最新のCLTや集成部材で十分に対応できる範囲です。ちょっと中途半端な感じはしますね。使いたいかと言われれば微妙かも。

ただ、このテクノストラクチャーとホームエレベーターの商品を合わせて、外付けエレベーターを10㎡以内で増築しませんか、っていう提案は面白かったです。

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木造技術講習会「曳家」レポート

2019.3.24

3/23(土)事務所協会主催の木造技術講習会「曳家」に行ってまいりましたのでレポートです。普通のゼネコン勤めだとなかなか触れることのない技術で、古民家再生専門の方でも詳しい技術を勉強する機会は少ないのではないでしょうか。曳家、面白いよ曳家。

袋町の 合人社ウェンディひと・まちプラザ で行われました。

高知出身、現在数少ない大工系曳家の岡本さんを講師に、
主に「沈下修正」のお話と「曳家技術」の2段構成でした。

講師の岡本さん。「曳家岡本」の代表
ホワイトボードは代表的な建物の沈下修正工法一覧

沈下修正

地盤が沈下したりして傾いた建物を水平に戻す工事です。工法の種類は上の通り。各工法のメリット・デメリット、おおよその費用を教えていただきました。

沈下修正方法の一つ「アンダーピニング工法」

アンダーピニング工法は支持層まで直接鋼管を打っていく工事です。一番確実そうに見えますが、支持層が深いと真っ直ぐ入っているかは怪しいかもしれません。

曳家技術による土台揚げ

曳家の岡本さんは上屋を土台ごと持ち上げて基礎天端レベルを修正して戻します。全ての作業が目に見える地上で行われる、成果が目に見えるというのがメリットです。

曳家技術

土台ごと持ち上げる「下腰工法」と土台から上を持ち上げる「上腰工法」の2種類があります。最近の一般的な木造住宅は「下腰工法」、古民家や社寺等は石場建てが多いので「上腰工法」となります。

曳家工法の一つ、「下腰工法」は土台ごと持ち上げる
鉄骨用の開口は最後にきれいに復旧します。
回転もできる!

実際に建物が走るレールは、岡本さんが使用するものは比較的細いもの。その分本数と手間を多くして建物の破損・歪みを最小限に抑えます。古民家などの古い建物の場合は、建物のゆがみを強制したらそれが戻らないような軸組みの補強も含めた工事となります。

逆に重量建築の曳家はレールが鉄道用になります。
場内運搬と設置に重機と作業スペースが必要です。

感想

進行で「よしの塾」の吉野さん、宮大工の須賀棟梁も含めディスカッション

ここでは内容をめちゃくちゃ端折ってますが、岡本さんの話は非常に情報量が多かったです。なんとなくのイメージだった「曳家」を詳しく知ることができました。ありがとうございました。

最後に曳家岡本さんのホームページ、フェイスブックはこちら。

[blogcard url=”https://www.hikiyaokamoto.com/”] [blogcard url=”https://www.facebook.com/hikiyaokamoto/”]
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